秋田大潟村の河内スタヂオで久しぶりのレコード大会。
ぼくらの後にタモリ倶楽部では12月に「輝かないニッポンレコード大会」っていうのをハーマン・インターナショナルの試聴室でやってましたが。石神井高校の第34回卒業記念レコードなど、いやー最高!(笑)
ぼくらの大会はフツーにジャズをスコッチ片手に楽しむだけだが、今回のピックは
・アーマド・ジャマルAhmad JamalのChamber Music of the New Jazz、
・モーズ・アリソンMose AllisonのLocal Color
・クアルテート・エン・シーQuarteto Em CyのAnthologia do samba cancao
・ビル・エバンスBill EvansのWaltz for Debbyのオリジナルアナログ音源のダイレクトカット盤
最初の2枚はぼくがワシントンDCに出張した際、週末にメリーランド州シルバースプリングのJoe’s Record Paradise という中古レコード屋さんでそれぞれ20ドルで入手したもの。日本の中古価格の5分の1くらいかな。ワシントン近郊ではここがジャズだけでなくソウルもR&Bも品揃えが豊富で、レンタカーせずともDCのメトロセンターから電車で行けて駅からも歩けるのでおすすめです。
クアルテート・エン・シーは、ブラジルのフリマサイトから苦労して買った(これについては別途アップします。いやー、たった60ドルを送金するのに都心まで行ってコンプライアンス・オフィサーまで出てきて。)の1975年大傑作。アリー・バローゾやカルロス・リラなどの名作を取り上げた最高のサンバ・カンソン集。誰もが知っているエバンスの超超名盤なんだけど、ぼくが今回持参したのは何年か前に買った「オリジナルアナログテープより変換した192kHz/24ビットマスターを基にダイレクト・トランファー・カッティングした」という、ふつうのWFDじゃないもの。こんなレコードを河内スタヂオの大音響でゼイタクに聴いて酔っ払いました。(レコードジャケット写真です。手作り感満載。)
長年、音楽経験と集めた音源が蓄積してくるとアルバム何千枚か分の音楽在庫から、そのときの好み、気分、思い出したことから主体的に選択する曲、決定版アーチスト、その後のフォロワー、革新者、などなど「聴く」行動をガイドしてくれるものが欲しくなる。ぼくのように、いまだに昔の名盤も聞きたいが新しい作品についてもできる限りアンテナを張っておきたいという欲張りタイプの人間は、どうしたらいいか。レコードが高かった時代には、ジャズ喫茶が新しい作品をいち早く顧客に提供する役目を果たしていたし、ぼくが東京のジャズ喫茶に親しみだした1970年代後半でもジャズの情報はジャズ喫茶とスイング・ジャーナルなどのジャズ専門誌だった。いまもジャズ・ライフなどの雑誌はあるものの、Webがこれだけ発達した現在は、欧米各国のジャズ放送を直接聴くという手もある。
その場合は、やはりセンター・オブ・エクセレンス(COE:ある分野でコアなテクノロジー、人材などがある結果、先頭を走っている地域:この用語はベンチャー投資や起業に関する経済学や大学のハイテク先端研究領域などではよく使われる)の一つのニューヨークの(正確にはハドソン河対岸のニュージャージー州ニューアークの放送局だけど)WBGOも、今はWEBで(iPhoneアプリでも)放送が聴けるのでおすすめ。この正月のWGBO発のニュースは、インド系でイタリア出身のルドレシュ・マハンサッパRudresh MahanthappaがNPR音楽批評家賞を受賞した、というものだった。イタリアも現在のジャズのCOEだということがよくわかるという出来事。インド系の人たちはグローバルに見たら中国系(華僑系)よりも先にジャズCOEに到達しているのかな。