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『青森のジャズな人々――占領軍兵士から始まり台湾とトランスローカルにつながるライフストーリー』アマゾンにて発売

『青森のジャズな人々――占領軍兵士から始まり台湾とトランスローカルにつながるライフストーリー』アマゾンにて発売
占領軍兵士の見た昭和20年年末の八戸、中国北支戦線の生き残り見習い士官で戦後の村の楽団長がその後南郷ジャズフェスティバルを創始、シナトラ命のジャズ好きが高じて本場大物ミュージシャンを呼ぶ大プロデューサーに・・・貴重なライフストーリーが満載。

与力堂出版部は、2024年9月30日から、Amazonにて『青森のジャズな人々――占領軍兵士から始まり台湾とトランスローカルにつながるライフストーリー』を発売しました。


(内容紹介)
アジア太平洋戦争の敗戦直後の1945年の暮れ。八戸キャンプホーゲンの占領軍〈ワイルドキャット部隊〉の米兵エディが見た町の姿と自分の1年半の戦争私記をカリフォルニアの故郷の人々に伝えた手紙。そこから始まるライフストーリーは、八戸と弘前のジャズな人々の戦後生活史を、そして私たちの今をも照らし出す。朝鮮戦争、ベトナム戦争というアメリカの戦争の背後で、「アメリカの音楽」に魅せられた青森のジャズな人々は、台湾・高雄のジャズな子供にもトランスローカルに繋がり、響きあう。青森の、日本の、そしてアジアの今までとこれからのジャズの歴史社会学の試み。 単一方向のジャズのグローバル化、フランチャイズ化とは異なる、自律した複数の世界の関係性としてのジャズを改めて考えるための待望の書。
価格は3080円(税込)で、形式は Kindle版及びペーパーバック版。

ジャクソン・ブラウン@渋谷オーチャード・ホール

ジャクソン・ブラウン@オーチャード・ホール。2023年3月27日(月)。セット・リストと楽曲解説は長年このミュージシャンを含むカリフォルニアのシンガー・ソングライターたちを取材してきた五十嵐正さんのレポートが素晴らしいので、紹介させていただく。
https://www.musicman.co.jp/artist/542447

ぼく自身は、2008年11月の昭和女子大人見記念講堂以来。2015、2017年は行けなかった。
大学入学のあたりから、ほぼリアルに作品を聞いてきて(だが、コアの音楽体験ソースとしてはLate for the Sky(1974)と次のThe Pretender(1976))。この2枚のレコードの曲はいずれも名曲揃い。かつ、アメリカが「史上初めて対外戦争に負けた」ベトナム敗戦(1975年4月のサイゴン米大使館からヘリで脱出する映像が記憶に生々しい)を挟んでいるので、個人的にも深く胸に刻んだ。昨日はこの2枚から4曲づつ演奏した。全セット23曲中8曲がこのLP2枚から。コア聴衆もこのミュージシャンと「共に」生きてきたので、セットリストの中の配分もおのずと明らかだともいえるかな。

さてコンサートの中身の個人的(かつ感傷的)解説。1曲目のBefore the Deluge、そして2曲目もアルバムLate for the Skyから演奏したFarther On。個人的にはこの曲がいつ聴いても、胸を打つ。というか、胸を抉る。泣いちゃう。こういう歌詞だ。つまり、私の青春の蹉跌、そして年老いてしまった(神様の慈悲を伝えに来る使いの)天使たち、その二者をさらに高いところから見て、私は過去この理由(大げさに言えば「大義」かな、あるいは「愛」かもしれない)ために先に進むんだと思っていたそうした理由は今は無くなってしまったけれども、それでも探しているものが見つかる新たな遠くへの旅へFarther向かうonというのである。Farther Onは、ぼくの数列後ろの人の一声リクエストでバンドメンバーを下がらせ、ラップ・スティール・ギターのグレッグ・リースとのデュオでやってくれたもの。この曲にはめっぽう弱いぼくです。

この曲を聞くたびにいつもカルトーラのこれも大名曲『人生は風車O Mundo É Um Moinho』とかぶる。これは、若い娘に「人生は風車(の力で石臼)が粉を引くように、(夢を持つことは素晴らしいが)その夢は粉々に引き裂かれるんだよ、だから気をつけるんだ」と言い聞かせる詞なのだが、気をつけろという一方でやめろとは言わない。晩年のカルトーラが渋い声でゆっくりと語りかけるように歌うので、なおさらにこれでもかと夢は砕かれるから、気をつけなよ、と。でもね、これはFarther On して夢破れてもまた、歩き始めることと、同じことを「気をつける」リスクアセスメント側から言うか、「夢(この場合は生きる理由の対象)がある時失われたと思っても、それはもっと先にFarther歩めば見つかる」と目的を再度把握し直す、今のバズワードでいうとパーパスね、それを言っているかの違いで、先に歩みを進めると言うことでは同じだ、というふうに思うわけ。要するに、Farther Onがいかに名曲か、言いたいだけだったのですが、ついでにカルトーラに触れました。

観客リクエストに応えて演奏したFarther On だけども、これは、マルチ・弦楽器奏者デイビッド・リンドレーがラップ・スティールで曲の情感を決定的に形作った作品。歌詞の内容からしても、デイビッド(や同じくこの2月に亡くなったピアノのジェフ・ヤング)の亡き後、さらにFarther On するよ、と自分に言い聞かせるようにジャクソン・ブラウンは歌っていた、と思う。

Farther On のライブ映像
亡きデイビッド・リンドレーの名演は、1976年の10月15日のニュージャージー・パセイックのコンサートライブ、翌11月6日のPBS(公共放送ネットワーク)局のWTTWのスタジオライブ、この2つのライブ映像がWEB上にある。どちらも文句なく素晴らしい。この記録を載せてくれてる人たちに感謝。WTTWの映像はラップ・スティールの神々しいとも言えるイントロをアップしてくれている。RIP デイビッド・リンドレー。ぼくはライ・クーダーとの中野サンプラザ(1979)とそのちょっとあとに有楽町のよみうりホールでやったのに行きました。どちらも楽しかった記憶でいっぱい。どうもありがとう、デイビッド。